prev
年始のご挨拶
新年明けましておめでとうございます。旧年中は格別のお引立てを賜わり、厚くお礼申し上げます。
昨年は経済と環境が本格的に統合されはじめた1年間でした。ESG投資(環境・社会・企業統治)の規模が年々加速度をつけて大きくなっています。企業統治に関する不祥事が新聞を賑わせたこともあり、ESG評価によるリスクヘッジの重要性が再確認できた1年だったとも言えます。
環境(E)については「脱炭素」がいよいよ本格的に始動しました。CDP(CO2に関する情報公開プロジェクト)に参加する投資家の総運用資金は兆の単位を超えて1京円にも達しています。先進企業はすでに脱炭素の長期目標を発表し、次の段階に向けて準備がはじまっています。
脱炭素へのアクションをマーケティングのイノベーター理論になぞらえて眺めてみます。イノベーター理論は新商品が市場に浸透するまでの経過を購入者のタイプで表したもので、正規分布を5段階に分けています。アクションが早い順にイノベーター(革新者)2.5%、アーリーアダプター(初期採用者)13.5%、アーリーマジョリティ(前期追随者)34.0%、レイトマジョリティ(後期追随者)34.0%、ラガード(遅滞者)16.0%で分布します。
再生可能エネルギーを100%使用して事業経営している(コミットしている)企業は「RE100」と呼ばれていますが、これはイノベーターに該当すると思われます。次に、例えばトヨタ環境チャレンジ2050のように、2050年に脱炭素化することを目標に掲げる企業はアーリーアダプターと言えるのではないでしょうか。LEDやEV・PHVなど比較的新しい省エネ機器への投資を積極的に行っている企業はアーリーマジョリティだと思います。ISO14001やEA21などマネジメントシステムがマンネリ化している企業はレイトマジョリティかもしれません。
イノベーターやアーリーアダプターの眼差しや行動を見ていると、未来が変わる予感をひしひしと感じます。一方でレイトマジョリティやラガードを想像すると膠着した現実にもどかしさを感じます。
私たちフルハシ環境総合研究所では、お客様の脱炭素化に向けて、環境目標と事業の統合化や、ライフサイクルでのCO2削減評価など、コンサルティングとしての役割を担っています。
今年は脱炭素に向けたサービスをますます拡充・統合したいと考えております。是非、皆様のご要望を聞かせてください。よろしくお願いいたします。
最後に、本年が皆様にとりまして更なる飛躍の年となりますことを、お祈り申し上げます。
株式会社フルハシ環境総合研究所
代表取締役所長 浅井豊司