8月17日、EUにおいてバッテリー製品の原材料調達から設計・生産プロセス、再利用、リサイクルに至るライフサイクル全体を規定する「バッテリー規則」が施行されました。
2023年7月28日付のEU官報（第96条）※によれば、「欧州グリーンディール」の政策の一つであるバッテリー規則については、官報発行から20日目である2023年8月17日に本規則が発効される、となっています。

本規則についての2023年6月14日付欧州議会見解は以下のとおりです。
「電池は重要なエネルギー源であり、持続可能な開発、グリーン・モビリティ、クリーン・エネルギー、気候中立性を実現する重要な要素のひとつである。バッテリーの需要は、特に電気自動車や牽引用バッテリーを使用する軽輸送手段において、今後数年間で急速に伸びると予想され、バッテリー市場は世界レベルでますます戦略的な市場となっている。電池技術の分野における科学的・技術的進歩は今後も著しい。電池の戦略的重要性に鑑み、関係するすべての事業者に法的確実性を提供し、電池市場における差別、貿易障壁、歪みを回避するため、電池の持続可能性、性能、安全性、回収、リサイクル、セカンドライフ、およびエンドユーザーと経済事業者向けの電池に関する情報に関する規則を定める必要がある。EU域内で上市される電池のライフサイクル全体を扱うために、調和のとれた規制の枠組みを構築することが必要である。（当社仮訳）」

今後、委任規則案やガイドラインが発表される予定で、引き続き動向を注視していく必要があります。

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※バッテリー規則（https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2023/1542/oj）

研究員　中村晟一朗